ヴィーナスになった猫
5ハンカチと友情
5ハンカチと友情
保奈美の操縦する小型飛行機も、草原の向こうから滑走路に進入して来ました。
保奈美の小型機が滑走路にタッチダウンし、なおっちの目の前を通り過ぎると、なおっちは保奈美の白いハンカチを口にくわえて走り出しました。
その小型機を追い始めたのです。
滑走路から出た保奈美の機は誘導路を走り、そのままスポットに向かっています。
やがてスポットで停止した小型飛行機のドアが開き、中からフライトバッグを手にした保奈美が出て来ました。
小型機の近くまで走ってきたなおっちは、ハンカチを草の上に置いて、保奈美に声をかけたのです。
「にゃーん」
鳴き声に気がついた保奈美がなおっちに視線を向けました。
それに気づいたなおっちは再び白いハンカチを口にくわへ、保奈美のところまで走って行きます。
「あら、なおっちね。なおっちでしょ?」
なおっちのことは飛行場の人から聞いていたのですが、近くで直接目にするのは、これが初めてでした。
「ほんとに、目が青くてきれいね」
「んにゃー」
「あれ、そのハンカチは?なおっち、あなたそれを私に届けてくれたのね。ありがとう、向こうの飛行場でハンカチが無くてこまっていたの」
保奈美はなおっちを抱き上げると、ほおずりをしました。なおっちも、にゃーんと甘えています。この時から保奈美となおっちは大の仲良しになりました。
それから毎日、保奈美が訓練を始めると、なおっちはいつまでも保奈美の操縦する小型機が帰ってくるまで、草むらでじっと待っているのです。
きのうまで降り続いていた秋の長雨も夜のうちにやみ、きょうは朝からとても気持の良い日になりました。保奈美は空港事務所のドアを開けると、
「おはようございまーす」
と元気にあいさつをしました。
すると、どこにいたのか、なおっちが走り出てきました。
「にゃーん」
「あら、なおっち、おはよう」
保奈美は腰をかがめ、なおっちの頭をなでながら言いました。
「なおっち、いつもおりこうにしている?いたずらしちゃあ、だめよ」
「にゃー」
保奈美の操縦する小型飛行機も、草原の向こうから滑走路に進入して来ました。
保奈美の小型機が滑走路にタッチダウンし、なおっちの目の前を通り過ぎると、なおっちは保奈美の白いハンカチを口にくわえて走り出しました。
その小型機を追い始めたのです。
滑走路から出た保奈美の機は誘導路を走り、そのままスポットに向かっています。
やがてスポットで停止した小型飛行機のドアが開き、中からフライトバッグを手にした保奈美が出て来ました。
小型機の近くまで走ってきたなおっちは、ハンカチを草の上に置いて、保奈美に声をかけたのです。
「にゃーん」
鳴き声に気がついた保奈美がなおっちに視線を向けました。
それに気づいたなおっちは再び白いハンカチを口にくわへ、保奈美のところまで走って行きます。
「あら、なおっちね。なおっちでしょ?」
なおっちのことは飛行場の人から聞いていたのですが、近くで直接目にするのは、これが初めてでした。
「ほんとに、目が青くてきれいね」
「んにゃー」
「あれ、そのハンカチは?なおっち、あなたそれを私に届けてくれたのね。ありがとう、向こうの飛行場でハンカチが無くてこまっていたの」
保奈美はなおっちを抱き上げると、ほおずりをしました。なおっちも、にゃーんと甘えています。この時から保奈美となおっちは大の仲良しになりました。
それから毎日、保奈美が訓練を始めると、なおっちはいつまでも保奈美の操縦する小型機が帰ってくるまで、草むらでじっと待っているのです。
きのうまで降り続いていた秋の長雨も夜のうちにやみ、きょうは朝からとても気持の良い日になりました。保奈美は空港事務所のドアを開けると、
「おはようございまーす」
と元気にあいさつをしました。
すると、どこにいたのか、なおっちが走り出てきました。
「にゃーん」
「あら、なおっち、おはよう」
保奈美は腰をかがめ、なおっちの頭をなでながら言いました。
「なおっち、いつもおりこうにしている?いたずらしちゃあ、だめよ」
「にゃー」