2025年6月発売
正反対な君が、私の世界を変えたんだ――
わたしを変えた夏 ひと夏の出会いと別れ
[原題]わたしを変えた夏
イラストレーター:タミウラ
- あらすじ
- 普通すぎる自分がいやで死にたいわたし(『だれか教えて、生きる意味を』汐見夏衛)、部活の人間関係に悩み大好きな吹奏楽を辞めた絃葉(『ラジオネーム、いつかの私へ』六畳のえる)、友達がいると妹に嘘をつき家を飛び出した僕(『あの夏、君が僕を呼んでくれたから』栗世凛)、両親を亡くし、大雨が苦手な葵(『雨と向日葵』麻沢奏)、あることが原因で人間関係を回避してきた理人(『線香花火を見るたび、君のことを思い出す』春田モカ)。さまざまな登場人物が自分の殻をやぶり、一歩踏み出していく姿に心救われる一冊。
- 著者コメント
- 汐見夏衛
思い出深いアンソロジーが装いも新たに単行本化されることとなり、とても嬉しく思います。皆様の応援に心より感謝いたします。夏というのは、四季の中で一番刺激的で、大きく「変わる」という言葉がしっくりくる季節だなと思います。この夏があなたにとって、良い刺激を得て良い変化をとげる素敵な夏になりますように。
春田モカ
春田モカです。この度『わたしを変えた夏』が、単行本として新たなカバーで発売されることとなりました。私は『線香花火』に纏わる淡く苦いお話を書かせて頂きました。少しでも何か感じ取って頂けましたら幸いです。装丁が夏らしい爽やかなイラストでとても素敵に仕上がっているので、ぜひ書店でお手に取って頂けましたら幸いです。
麻沢奏
3年前の短編集が単行本化されるということで、大変うれしく思っております。『雨と向日葵』は、大雨が苦手な主人公と、笑わない秀才と呼ばれる男の子のお話です。過去に一度会話しただけだったのに、ひょんなことから始まった家庭教師。そのふれ合いを通して起こるふたりの心の変化や成長を楽しんでいただけたら幸いです。
六畳のえる
短編コンテストの受賞作を収録いただいた『わたしを変えた夏』が単行本になります!私の作品『ラジオネーム、いつかの私へ』は、部活を辞めて希望を失ったヒロインの絃葉が、深夜ラジオをきっかけに自分を変えていく夏休みの物語です。刊行にあたって作品を再読し、絃葉に久々に出会いましたが、元気そうで何よりでした。3年前と同じように、読んでくれた「いつかの自分」である皆さまに、少しでも自分を変えるヒントが届けば、望外の喜びです。
栗世凛
歳を重ねるごとに、夏がただの暑い季節という印象に変わっていってる気がします。でもたぶん、学生の頃はそうじゃなかったと思います。べつに劇的な青春を送っていたわけじゃないけど、あの頃は確かに見えていたはずの夏の表情を思い返しながら、三年前の僕はこの物語を書いていたはずです。その温度感を大切にしたくて、文庫本の内容からあまり手を加えていませんが、楽しく読める作品になっているのではないかと思います。