りんとそーださんの作品一覧

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少し湿った涼しい夜風が頬を切る。 暗闇の中 月明かりに照らされた君の横顔を 今でも鮮明に覚えている。 「このまま、2人で何処か遠くへ行こっか。」 誰も 誰もない遠い遠い場所へ。 「逃げちゃおっか。」 忘れもしない。 あの夏の終わり、手を繋いで歩いた道も。 君の長いまつ毛が星の光でキラキラ輝いたのも。 優しく繋いだ手が、小さく震えていたことも。 もう一度、願いが叶うなら。 神様どうか。 どうか、あの時に戻してください。
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