ことのはさんの作品一覧

見えない夜空に恋して

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星を見つけたい。 小さいころからずっと、夜空を見上げてはそう思ってた。 でも、事故で私は目が見えなくなった。 もう自分の目で星を見られない——それでも、心の中の星は消えない。 そんな私の前に現れたのは、クラスの少し怖そうな男の子。 でも、声を聞いたらすぐわかった。落ち着いていて、でもどこか優しくて。 手を取られたときの温かさも、心地よくてドキドキした。 「星の話、教えてくれる?」 その一言に、胸がキュンとした。 目に見えなくても、彼といると世界がちょっとだけ明るくなる気がする。 星を知らなかった彼が、少しずつ私の話に耳を傾けてくれる。 知らなかった世界を、一緒に見てくれる気がした。 そして、気づけば——私の心は、彼でいっぱいになっていた。 盲目の私と、不器用な彼。 ゆっくり近づく二人の距離は、ちょっとだけ甘くて、星のようにキラキラと輝いていた。
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