早河シリーズ完結編【魔術師】
あとがきと後継シリーズの話
▼episode1.人魚姫 the last scene

 第一弾は短編集【夏物語】episode2.人魚姫の続編です。
主役は松田先輩ですが、松田先輩と静香の話、美月と隼人の後日談でもあります。

 看護師の静香ちゃんは当初ここまで本編キャラと絡ませる予定はなかったのです。完結編にちょろっと出すくらいのつもりでした。

でもそろそろ松田先輩にも春が訪れてもいいんじゃないのかと思い、穏やかな春の日差しが似合う女性をイメージして生み出しました。

 静香ちゃんと松田先輩にラブの予感……の前に、松田先輩にはケジメをつけなければならないことが。

なんとなくうやむやなまま時が過ぎた美月との関係を見直し、改めて美月と向き合うことに。
向き合う機会を与えてくれたのは美月の夫の隼人でした。

 松田先輩と隼人が友好関係を築けた経緯もチラリと。これは早河の妻のなぎさと元カノの玲夏が友達になれたのと似てますね。
常識的に考えると彼氏が彼女の浮気相手の男と友達にはなれませんよ。

〈彼女の浮気相手〉〈好きな女の彼氏〉の肩書きを取り除いたひとりの人間として互いに接した時にその人が好きか嫌いか、そこで判断している彼らならではの関係性ですね。

 作者も忘れかけていましたけど(笑)、松田先輩と隼人は大学のミステリー研究会の会長同士なんですよ。きっとミステリー談義に花を咲かせて意気投合したんでしょうね(人´ `*)

 早河シリーズセクシー部門担当の隼人さんはハイスペ完璧マンに描きがちですけどたまに見せる弱気な部分や子どもっぽい部分を今回は美月に見せましたね。

普段は余裕な男の余裕がなくなる瞬間に漏れる本音、『俺だけを見てろ』
押し倒しちゅーの手際の良さはさすがシリーズ一番のお色気担当なだけあります。

 佐藤や松田やキングにアプローチをされながらも、美月が最終的にいつも隼人を選ぶ理由は隼人の腕の中が誰よりも居心地がいいからなんですよね。

美月はふらついているようでいつも隼人を選んでいます。
なんだ結局ラブラブかよ!木村夫妻は結局ラブラブなんです。
美月と隼人の情事シーンの執筆もこれが最後になるので、えっちぃ濃度が増し増しです。

 【白昼夢】を読み返してると隼人はチャラいし美月はチャラい隼人を嫌悪していて、最初はこんなに険悪な二人が数年後には結婚して子どもまでいるんだもんなぁと感慨深くなります。

 私としては美月の想いは佐藤には恋、隼人へは愛、のつもりで区別して書いています。
美月は佐藤にはひたすら『守られている』んですけど、美月は隼人を『守りたい』と思っていて。

美月が佐藤を『守りたい』にはならないんですよね。そこは違う。
恋と愛の違いの解釈は様々ですが受け身だけではないのが愛、なのかなぁと。

 佐藤が服役を終えて出所した時には木村家で美月と隼人と佐藤さんがお酒を飲む日が来るかもしれませんね。

松田先輩と静香ちゃんにも、幸あれ♡

< 242 / 244 >

この作品をシェア

pagetop