The previous night of the world revolution4~I.D.~

sideルルシー

─────…シュノとルレイアが飼っていたハリネズミが亡くなって、三日目のこと。

自室で仕事に勤しんでいた俺のもとに、またしても誰かがやって来た。

どうせまたルレイアだ。

来るなと何度言っても、毎日来るからな。

あいつと来たら真面目に仕事もせず、それどころか俺の仕事の邪魔をしやがる。

ここはガツンと叱ってやろうと、俺は顔を上げた。

「お前な…!いい加減、遊んでばかりいないで真面目に仕事しろ!」

「あら。ごめんなさいルルシー」

「…へ?」

そこにいたのは、ルレイアではなかった。

「真面目なのはルルシーの良いところだけど、でももう少し肩の力を抜いても良いんじゃないかしら」

「…あ、アシュトーリアさん…!?」

俺の部屋を訪ねてきたのは、ルレイアではなく。

俺の上司にして、『青薔薇連合会』の首領、アシュトーリアさんであった。

「すっ…!済みません!てっきりルレイアだとばかり…!」

俺はしゅばっ、と立ち上がり、腰を折って謝罪した。

お、俺は上司に向かって何ということを。

「あらあら、良いのよ。気にしないでルルシー」

うふふ、と頬笑むアシュトーリアさん。

こんなことでは怒らない、という王者の余裕を見せてくる。

「済みませんでした…。本当に…」

「あら~、良いのよルルシー。ねぇ、ルレイア」

「そうそう。もールルシーったらうっかりさんなんだから~。一体誰と間違えたんでしょうね~」

「!?」

る、ルレイア…お前、いつの間に。

何処から生えたんだ。
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