The previous night of the world revolution4~I.D.~

side華弦

─────…その頃、ヘールシュミット邸では。






「申し訳ありません…。逃げられました」

「…そうですの。華弦(かげん)…。あなたが出遅れるとは、珍しいですわね」

「…申し訳ありません」

私は、深々と頭を下げた。

「まぁ、構いませんわ。わたくしの目的は、このルレイアだけですもの」

「…」

アシミムは、気を失ったルレイア・ティシェリーを見つめながらそう言った。

…憐れな男だ。アシミムなんかに洗脳されて、利用されて…。

「逃げられたことは、もう良いですわ。ルレイアを部屋に連れていってくださいな。それから…例の薬を投与して」

「…畏まりました」

私は再び、深々と頭を下げた。

そして、言われた通り…ルレイアを洗脳部屋に連れていった。





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