The previous night of the world revolution4~I.D.~

sideルアリス

─────…その頃、箱庭帝国では。








「…ルレイア殿…今頃、どうしているんだろうな…」

「…」

俺の呟きに、セトナ様は不安げな表情を返した。

…こちらでも、調べられることは調べた。

でも、有益な情報は見つからなかった。

あの『ホワイト・ドリーム号』というのは…一体何なのだろう。

あの船にどんな秘密が隠されているのか、ルレイア殿が何処で何をしているのか、全く分からない。

分かっているのは、ルレイア殿は、そう簡単にくたばったりしないということだ。

生死不明の状況ではあるが、俺はルレイア殿が死んだなんて思っていない。

あの人が、簡単に死ぬはずがない。

また何事もなかったように帰ってきて、そして何事もなかったように俺の名前を忘れて、何事もなかったように俺を弄りに来るだろう。

俺はそう信じている。

すると。

「坊っちゃん、ルティス帝国のアイズレンシア殿から電話です」

ユーレイリーが部屋に入ってきて、俺に受話器を渡した。

今では、箱庭帝国の通信体制も整ってきており、携帯化も出来るようになっている。

アイズレンシア殿から、電話。

定時連絡ではない。ということは、何か分かったのか。

俺は慌てて、ユーレイリーから受話器を受け取った。

「はい、ルアリスです」

『あぁ、ルアリス…。ルティス帝国の、アイズです』

「アイズレンシア殿、ルレイア殿のことについて…何か分かったのですか?」

『そうだね。色々と分かってきたよ』

もしかして。

ルレイア殿の安否が、明らかに…。

と、思ったが。
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