The previous night of the world revolution4~I.D.~

sideルレイア

─────…ルアリスは、感極まった様子だった。

『良かった…!無事に帰国出来たんですね?』

「えぇ」

今はルルシーの家で、優雅にディナー食べてる。

『良かったです…本当に…』

「そりゃどうも」

『それで…その、ミレド王の…あ、ミレド前王の…ルティス帝国侵攻については…』

まぁ気になるところだよなぁ。

最初にその話を伝書鳩してくれたのは、ルアリスなのだから。

何気に今回のMVPでは?

おのれ。俺を差し置いてMVPに名乗り出るとは偉くなったもんだな。

「白紙に戻させましたよ。その件については、証書があるので後日持っていきます」

帝国騎士団相手なら、国内だから郵送でも構わないのだが。

国際郵便を使わなきゃならない箱庭帝国相手だと、正直あまり信用ならないと言うか。

まぁ今回はルアリスに世話になったし、誠意として俺が自ら行っても良いかなと。

あんまり旅行はしたくないんだけどね。今。

『ありがとうございます。ちょっと今、国内を離れられないので…。来てくださると助かります』

「ふぅん…?」

国内を離れられない事情…ねぇ。

それで、さっきから妙にそわそわしてる訳か。

「何やら忙しそうですねぇ。取り込み中でしたか?」

『え、あ、は…まぁ、ちょっと』

「なら早めに切りますか。今度会いに行ったときに、色々『お土産話』してあげますよ」

『はい…。お願いします。無事に帰ってきてくれて…本当に良かったです』

律儀な男だよ、全く。

今回は、その律儀さに助けられたんだがな。
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