婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語

僕と圭衣ちゃん

「おいおい、いくらなんでも、(雅の)プライベートに立ち入りすぎじゃない?」

「あら、答えたくなければ、それでも構わないわ」


強烈な初対面、これは僕が圭衣ちゃんに会った日、ちょっと言い争いになりそうになった時のこと。僕は親友の雅を擁護して、圭衣ちゃんは妹の美愛ちゃんを援護していた。


最初の印象は『頭がよさそうだが、性格がキツそうな女の子だな』だった。彼女の会社名、Cool Beauty と呼ぶに相応しい女性。外見も高身長でモデルのような和風美人。実際、圭衣ちゃんは物語に出てくる愛らしいお姫様のような妹の美愛ちゃんと比べて、見た目は全く反対の正統派美人。その上、物おじせず僕たち慶智の王子にも一切媚びなかった。美愛ちゃんを守ろうとする圭衣ちゃんの瞳からは、子供を守る母ライオンのような気迫がある。


彼女の気品のある佇まいに息を呑み、さらに彼女の所作に目を奪われた。椅子に腰掛けた圭衣ちゃんは、真っ直ぐ背筋を伸ばし、両足を揃えてやや斜めに傾けている。何より僕を虜にしたのは、美しい言葉遣いが突然、少々荒く勢いのある口調になったギャップだ。


この子、そんじょそこらのお嬢様じゃないな。


その時、自分の中で珍しいおもちゃを見つけた感覚があり、そんな彼女に興味を持つ。珍しくすぐさま圭衣ちゃんを食事に誘った、友達として。僕としては女の子が好きそうなバルにでも行こうと考えていたが、彼女からの希望でもんじゃ焼きを食べることにした。
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