婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
第ニ回戦: 助っ人

姉妹連合軍

何も解決せず、10日が過ぎた。今でも迷っている私は、先日妹で副社長でもある葉子に会社でのミーティング希望を伝えると、水曜日にこちらに来てくれるとメッセージが送られてきた。


双子の子育てで忙しいのに、申し訳ないな。
でも、葉子にも関わることだからね。




社長室=デザイン室のドアがノックされ、久しぶりに見る葉子の笑顔。妻となり、母となった彼女は眩しいくらい輝いて見える。きっと仁さんにも愛され、子供たちにも恵まれ幸せなんだろうな。


「圭衣、ごめんね。なかなか出社できなくて」

「こっちこそ、子供たちで忙しいのに。来てくれてありがとう」

「とっとと本題に入ろう。圭衣、一体何があったのさ?」


いきなり核心をつかまれ、戸惑っている私に続ける。


「大和さんと何があったの? 週末のバーベキューも来なかったじゃん。あたしも美愛も仕事で忙しいは言い訳だってわかってるよ。実はさ、あんたのこと聞かれたんだよ、大和さんに」

「なんで私のことなんて聞いてくるのよ」

「『私のことなんて』ってあんたが言っている時点で、完全に何かあったってわかったわ。美愛も言ってたんだ、電話でのあんたの声が悲しそうだったって。何があってもあたしたちは圭衣の味方だよ。そこ忘れないでよね!」


葉子によると、私が来ていないのに気がついた大和が葉子に尋ねたようだ。もちろん彼女はただ仕事を理由に不参加とだけ伝えたが、その時の大和の様子がいつもとは違い、浮かない顔をしていて、陽気な大和ではなく口数も少なかったらしい。


きっと彼は私に会いたくなかったから、憂鬱な顔をしていたのだろう。

< 40 / 152 >

この作品をシェア

pagetop