婿入り希望の御曹司様とCool Beautyな彼女の結婚攻防戦〜長女圭衣の誰にも言えない3つの秘密〜花村三姉妹 圭衣と大和の物語
第四回戦: 停戦中の真実

圭衣

今何時だろう? ベッドで目が覚めたが、やはりまぶたが重い。あっちゃ〜、やっぱり腫れたな、目。それに頭も痛いよ。あれだけ大泣きしたから仕方ないな。とりあえず応急処置しないと。


キッチンでジップロックバッグに氷を詰め込み、キッチンタオルも一緒に持ってソファーに寝っ転がる。目の上にタオル、氷袋の順に置き、しばらく腫れたまぶたを冷やす。


アメリカにいた頃、よく葉子とニ日酔いの朝にこれをやったっけ。




どうやらそのまま二度寝をしたらしく、起きた時にはかなり腫れも引いていた。冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、一気に飲み干す。カラカラに乾いた喉が潤った。時計を見るとまだ7時。せっかく休みを取ったのに、いつものように起きてしまったらしい。


そんな私は実家へ行こうと考えている。大和との結婚はもう完全になくなったわけだし、いずれは両親に伝えなきゃいけない。でも改まって面と向かって言うのも嫌だ。特に母さまにはまた小言を言われるのがオチだろう。


だったら今日、母さまがクリニックで仕事をしている隙に実家に戻って、誰もいないキッチンのテーブルに手紙を置いておけばいいか?


こんな結果になってしまって……。


父さまと母さまは大和のことを気に入っていたし、彼と烏丸家が婿入りすることにも同意してくれたことを喜んでくれていたのに。今回は2人から何を言われるんだろう? 


あっ、会社のことも言っておいた方がいいのかな?


葉子は私がリモートでデザインに専念できるように考えてくれているけれど、これからも大家族との集まりに行くのは気が引ける。やはり日本にいるより海外へ行った方が楽なのかもしれない。だったら私は会社を離れるべきだ。幸いにも葉子がいてくれるから、私が辞めても大丈夫だろう。


さてと、シャワーを浴びてスッキリしてくるか。

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