諦めたはずの恋なのに、再会した航空自衛官に秘密の双子ベビーごと愛されています

しまい込んでいた想い

 翌週の日曜日。私は本当に、伊澄さんと公園へ出かけることになってしまった。

 彼からのお誘いが来た時、お断りをしようとも思った。
 だけど、瑞月も琉星も、伊澄さんを「ママのおともだちだから」大切にしようとしてくれている。
 そう思ったら、子どもたちの気持ちを尊重してあげたいと思い直し、伊澄さんと約束をした。

 それでも、当日になったらやっぱり気が重くなった。

 私は一度、彼を傷つけている。それなのに今度は、伊澄さんを子どもたちの提案に巻き込んでいる。
 まるで彼の優しさに、つけ込んでいるみたいだ。

 そんな私とは対照的に、子どもたちは朝からワクワクしていた。琉星は飛行機のイラストが描かれたトレーナーを着たいと言うし、瑞月には「かみのけ、かわいくして」とおませな発言をされてしまった。

 お昼ご飯を食べ終えた頃、伊澄さんが車で我が家へやってきた。
 子どもたちを連れ玄関を出た私に、車から降りてきた彼が軽く手を挙げる。

「いすみー!」

 瑞月も琉星も、さっそく伊澄さんのもとに駆け寄った。
 自分たちの話を聞いてくれる彼は、ふたりにとってすっかり大切な存在になってしまったようだ。
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