諦めたはずの恋なのに、再会した航空自衛官に秘密の双子ベビーごと愛されています
第六章

父との確執と誤解

 迎えに来てくれた大雅の車に子どもたちと乗り込み、小松へ向かった。

 最初こそ伊澄さんとのおでかけじゃないことに文句を言っていた子どもたちだったが、車の揺れが心地よかったのか、高速の途中で眠ってしまった。

 だけど、私は気が気じゃない。父は、大丈夫だろうか。
 私は子どもたちの小さな手をきゅっと握りしめたまま、大雅の運転する車に揺られていた。

 小松に着く頃には、すっかり日が沈んでいた。

 水島さんからは道中で連絡を受けた。
 父が倒れた原因は過労だそう。倒れた時も、水島さんとふたりで工場の事務室にいたそうだ。

 父は今、病院を出て自宅にいるらしい。父は一人暮らしなので心配したが、水島さんがそのままそばにいてくれているようで安堵した。

『帆風鉄工って、そんなに大変な状況なのかな』

 車内で思わずそうこぼすと、大雅が教えてくれた。
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