諦めたはずの恋なのに、再会した航空自衛官に秘密の双子ベビーごと愛されています
第三章

二度目の再会

「ママ、はやくはやくー」

 玄関から、我が子たちが私を呼ぶ。

「今行くね」

 急いで戸締まりを確認し玄関へ向かうと、すでに靴を履いた我が子たちが私を待っていた。

 娘の瑞月(みづき)は地団駄を踏み、ツインテールにした長い髪を揺らしている。
 パンプスに足を入れた時、息子の琉星(りゅうせい)が不安げな顔で私のカーディガンの裾を引っ張った。

「バス、いっちゃうよー」

 保育園に向かうバスに間に合うか、心配しているのだ。

「大丈夫、ちゃんと間に合う時間だから」

 そんな愛しい我が子たちに微笑み、しっかりと手をつないで私は家を出た。

 外は九月にもかかわらず、朝から気温が高い。曇天の空は雨こそ降らなさそうだが、秋らしい晴天とはほど遠い。
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