すべてはあの花のために①
九章 女王奪還

side……




 ――翌日。早朝。


「よし。これで準備万端!」

「それはそうと……お前、本当にやるの?」

「チカくん!? この期に及んで何言っているんだい。わたしは絶対この作戦しかないと思っているよ!」

「そ、そうですか」


 ものすごい勢いに、チカゼは思わず後ずさった。


「おーい。お前さんたちー。そろそろ行くぞー」

「「はーいっ!」」


 きっと、眠れなかったのだろう。
 欠伸を噛み殺す彼の手には、ぐしゃりと握り潰された空の煙草の箱。


 緊張しているのはみんな同じ。
 不安があるのも、みんな同じ。

 ――でも、一人じゃないから。




「……行こう」


 さあ、はじめよう。女王様の奪還を。


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