すべてはあの花のために①
次回予告
それは、ある花たちの記憶
『どうするのだ。このままでは』
『何としても、内情を外部に漏らすわけにはいかん』
『し、しかしだな』
『恐れるな。手は打ってある』
『なんと』
『これでもう、我々の確約された未来を邪魔立てするものはおらん』
……嗤い声がする。
そして、誰かの泣いている声がする。
けれど、今胸に沸き上がるこの不快を、そして悲しさを消してくれるのなら。
大切な人たちをもう、なくさずに守れるというのなら……。
「……いいんだ」
これで、いいのだろう。