すべてはあの花のために②
また携帯さんに失礼なことするとこだった!
「……ん。あ、れ? ここは……」
目を覚ますと、そこは生徒会室の仮眠室だった。
「あれ? わたし、どうしたんだっけ……」
記憶を辿っていると、左手が温かいことに気付く。
「(……えっ。ひ、ヒナタ、くん……?)」
ヒナタが葵の左手を握りながら、ベッドに突っ伏して眠っていたのだ。
葵は、空いている右手で彼の明るくてやわらかい頭を、そっと撫でる。
「……ありがとうヒナタくん。おかげであったかかったよ」
起こさないよう、囁いただけのつもりだった。
「そ。それはよかった」
でも何故か、眠っていたはずのお目々とバッチリ目が合っていた。