すべてはあの花のために②

此奴があまりにも腑抜けておった


 二人が作ってくれたチャーハンをみんなで美味しく食べながら、アカネは葵が言っていたことを改めて考えたと話してくれた。


「あおいチャンには聞いて欲しい」

「わたしに教えてくれるの?」

「うん。……おれはこの道場を継ぎたい」


 そう言った後、彼はにっこり笑って。


「でも、あおいチャンの言うとおり、今すぐじゃなくてもいいかなって思った。高校を卒業して、大学はそっち方面受けたいなって思ってるし。……でも、それでもおじいちゃんに許してもらえなかったら、おれは卒業したら道場を継ぐ。でも、やっぱり絵が好きだから、時々絵を描いてもいいですか? って、聞いてみることにするよ!」


 そう言ったアカネの顔は清々しかった。
 だから葵も、その言葉をしっかりと受け止めて頷く。


「よし! アカネくん。準備はいい?」

「もちろんだよ! かなチャンは?」

「へ? 俺もするの?」


 そして現在、威厳に満ちた道場前。


「「さあ! 乗り込みますかあ!」」
「お、おう?」


 いよいよ真っ向勝負だ!


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