すべてはあの花のために②

side……




「あと少し、か」


 誰かの呟きが聞こえる。


「でもそれは、『名前が消えたら』の話でしょう?」

「ああそうだな。……楽しみで仕方ないよ」

「そうね。いつ、消えるかしら」

「加えて、今年で17になりますから」

「ええそうね。“兆候”が出れば、もうすぐだわ。それまでの辛抱よ」

「ああ。……その日を楽しみにしておこうか」


 そう言って彼らは何かを燃やす。

 そしてあっという間にその『何か』は、燃え尽きて、あっという間にこの世からなくなった。


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