すべてはあの花のために②

なにおうコスプレ星人!


 翌日の放課後、委員長だけを集めて各学年体育祭のフリープログラムを決めていた。


「だあかあらあ! 1年がフォークダンスするんで、2年生は他のにしてくれますか?!」

「何言ってんだよ! 譲るわけねえだろ!」

「おいおい! ここは高校ラストの3年に譲れよ!」


 ただフリープログラムを決めるだけだというのに、白熱した戦いが行われておりました。


「お前らまだチャンスあるだろ! こっちはもう後がないんだぞ! クラスのみんなの気持ち背負って来てんだよ! いい加減折れてくださいお願い!」

「何を言ってるんですか! こっちだって絶対に奪って来いって言われてんですよ! 折れるわけないじゃないですかごめんなさあい!」


 現在フォークダンスの取り合い真っ最中です。
 こんなに必死になっているのにはわけがある。そう、例のジンクスだ。

 桜ヶ丘にあるジンクスの一つ。それが、体育祭の“フォークダンス”。
 1年はSクラスになりやすくなるとか、2年は最後に踊った人と恋仲に? とか。3年は卒業後の援助UP! 等々。
 生徒会はあくまで中立な立場を貫かないといけないので、基本会議に口出しはしない。が、こればっかりは永遠に決まりそうになかった。


「ち、ちょっとアキラくん」

「ん?」

「多分ずっとこんな感じで終わらないと思うから、クジとかで公平に決めた方がいいのでは……」

「面白いから、もう少し見てたい」

「あなたがそんなこと言ったら一生進まないよ?!」

「そんなことはない。見てみろ」

「え?」


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