すべてはあの花のために③

わたしにわからないことなんてありませ~ん


 夜中話したところにいるかなと、そちらへと歩みを進めることに。


「(ツバサくんは何を抱えているんだろう)」


 いつも彼には救われている。葵の気持ちを聞かず、ただ傍にいてくれる彼に、葵も何とかしてあげたい。


「……あ。アキラくん」


 昨夜葵が二人と話していた場所には、どこかへ電話しているアキラの姿があった。
 葵の姿に気づいたアキラは、電話を終わらせてこちらへと歩いてくる。


「おはようアキラくん」

「ん。おはよう葵。もう大丈夫か?」


 アキラは葵の手を取ったりおでこに手を当てたり、頬を触ったり首に手を置いてきたり、後頭部に添えてきてそのまま葵を引き寄せて――――。


「ストップ!」

「むうっ」


 だんだん変な方向へ駆け足で行っているアキラ見ると、やっぱり兄弟だなと思う今日この頃。


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