すべてはあの花のために③

sideミノル


 扉が閉められ、彼女の足音が遠ざかっていく。


「……無理、か。君にとって彼らは、大事な存在に……ちゃんと、なれたんだね」


 彼はまた、木箱を取り出した。


「――それは、確かな手応えだ」




 そこからすくい上げたのは――ナデシコの花。

 それから…………アサガオの花。



 すくい上げられた、ナデシコとアサガオ。


 真っ黒で冷たい花を――薔薇、菊、ツツジ、百合。そして……蘭、ナデシコ、アサガオ、牡丹が、やさしく包み込む。




 エロぴゅあ男とオタクはすくい上げられた。


 次はきっと――――……。




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