すべてはあの花のために③

(笑)って


「では明日の確認をしよう」


 アキラがそう言ってみんなは手元にある資料を見る。


 ー文化祭 2日目ー

 10:00 入場門にてチラシ配り&見回り
 12:00 休憩
 13:00 生徒会主催1(楽団演奏会)
 15:00 生徒会主催2(フィーリングカップル)
 16:00 生徒会主催3(バンド&ダンス)
 17:00 後夜祭の準備
 18:00 後夜祭スタート
 21:00 片付け(22:00終了予定)


「午前中っているの?」

「今日俺たちは、自分たちの出し物をさせてもらったからな。明日は先生たちが、今日の分を楽しむことになっている」

「チラシ配りと、見回りは二手に分かれる感じかな?」

「そうだね! でも、やっぱりあたしとあっちゃんは分かれた方がいいよね」

「おれはその方がいいんじゃないかと思う~」

「(こくこく)」

「12時になったら、休憩しながら講堂で準備するんだろ?」

「そうそう。生徒会主催が三つもあるからねー」

「でも、結局後夜祭も出し物するんでしょ。四つじゃん」

「結局希望のもの全部することになったんだっけ」

「そうね。まあ、奏会は今日の楽団の人がしてくださるだけだし、フィーリングカップルも後夜祭のダンス誘うために来る人が殆どだから、両方司会ぐらいでいいでしょう」

「その後わたしたちは、バンドとダンスをする、と」

「ああ。急いで片付けをしてバンドの準備をしないといけない」

「バンドが終わったら、その後は体育館で後夜祭準備。……大忙しじゃねえかよ」

「体育館では13時からミスコンとミスターコンが始まって、15時終了予定。その後のファッションショーは17時終了予定だから、そのクラスにも後夜祭の準備はしてもらえるよ」

「一時間で頑張って準備して、体育館をダンス会場にする。後夜祭は最初にビンゴゲームをすることになってる」

「その間に手の空いてる人が、今回の文化祭の得点集計をして」

「ビンゴゲームが終わったら優勝クラスの発表」

「その後は21時まで音楽を楽団の人に生演奏してもらって」

「ダンスをしたり、用意されてる料理を食べる……と。こんな感じかしら?」

「最後の片付けまで気を抜かないように。何があるかわからないからな」

「…………」


 アキラがそう言うと、葵は俯いてしまう。


「アオイちゃん? どうしたの。やっぱり気分悪い?」


 カナデが背中をさすりながら心配そうに聞いてくる。しかし葵は、バッと顔を上げて「みんな! お願いがあるんだ!」と、声を張った。


「え? どうしたの? あおいチャン?」


 そうして葵は一度息を吐ききり、思いっきり吸い込んで――――。


< 61 / 347 >

この作品をシェア

pagetop