すべてはあの花のために③
挿話 不可思議な絵本

それは昔の物語


 むかしむかし
 あるところに

 とってもきれいなお花が
 咲いていました


 ある日
 花は
 恋をしました

 自分とは全く違う
 姿形が違う
 とっても美しい生き物でした

 来る日も来る日も
 花はその生き物に恋い焦がれます


 そんなある日
 かぜさんが教えてくれます


 大きな木なら何か知ってるかもしれないよ?


 花は大きく頷きます


 かぜさん?
 わたしを大きな木まで
 連れて行ってくれないかしら


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