すべてはあの花のために④
sideミノル
再び理事長室。ノックをしたかと思いきや、返事も待たずに彼らは入ってきた。
そこには自分の従兄弟と三人の友達。
「やあいらっしゃい。どうしたのかな。四人でなんて、珍しい組み合わせだね」
どうして来たのか、このメンバーを見れば予想は付くけれどね。
「理事長。ちょーっと聞きたいことがあるんだよねー」
ようやくロザリオを、持ち主に返すことができたカナデ。
「なあ。理事長なら知ってるんだろ」
必死な様子のチカゼからは、縋り付いていた形見のピアスが消えた。
「みーくん。聞きたいことが、あるんだ」
何十年か振りに聞くオウリの声。ブレスレットはどうやら、母親に返したようだ。
「お願いします理事長。……おれはもう、あなたにしか話を聞けないから」
家族と、過去と未来と向き合うことを決め、長い前髪を切り眼鏡を外したアカネは、執事とすでに話をしたと聞いている。
聢と頷き、来たばかりのみんなを隣の部屋へと移動させた。すると四人は、怪訝に顔を歪めた。
明かりと暖房のついた部屋に、人数分準備されていた飲み物。まるで最初から来ることがわかっていたようだと思ったのだろう。
しかし、その理由を尋ねることなく、彼らは用意されたそれぞれ好みの飲み物の前に座った。そして、話を聞こうと口を開こうとする。でもちょっと待ってね。その前にこれだけは言わせて。
「オウリが話してるうぅううーッ!」
理事長大暴走につき、しばしお待ちください▼