すべてはあの花のために⑤
ある花、不幸を呼ぶ
ある日、こどものところへ知らない人がやってきました。
その人は笑顔がとても素敵で、こどももつられて笑いました。
その人はこどもにある紙を見せながら質問をしました。
こどもは素直に、質問に対して自分が思ったことを答えました。
そうすると、その人は嬉しそうに笑って、こどもの頭を撫でてくれました。
その人は、遊びに来る度にこどものところへ行って、たくさんお話ししたり、紙を見せながら質問をしました。
こどもは、その人が話すことは知らないことばかりだったので、その人と話すのがとても楽しみでした。
いつも質問には素直に答えて、その人の笑顔を見るのが楽しみでした。
それからしばらくして、男性はこどもにもっと強くなれと言ってきました。
女性も、今まで以上にいろんな感情や生、世の中の理について教えてくれました。
どうやら、消えたと思っていたこどもの暗い感情が、時々こどもの知らないところで出ていたようでした。
こどもも、頑張って二人に教えてもらうことを吸収していきました。
そしてとうとう、たくさんの愛情を注いで育ててきた花が咲きそうでした。
でも、この時こどもにとって嫌なことが起こったのです。
こどもは再び暴れ出しました。
暴れた時、咲きそうだった花を思いっきり摘み取りました。
たくさんの愛情を注いだ花を、枯らしてしまいました。
そして、大好きな二人が自分のせいで不幸になるのを恐れました。
それからこどもは上手く笑えなくなり、暴れることも増えていってしまいました。