すべてはあの花のために⑤

ぐふふ


 それから葵たちは毎日のように生徒会室に集まり、クリスマスパーティーへ向けての企画を詰め、それまでの準備に取り掛かっていった。

 ツリー・オーナメント担当のオウリとアカネは、去年使用したものの状態確認や不備不足等の確認に、隣の部屋で作業中。

 プレゼント・くす玉担当のチカゼとヒナタは、用意するプレゼントや数などを話し合っていた。業者に事前へくす玉の発注をしなければならないのだが、それにより大きさや重さ、耐久性なども変わってくるからだ。

 音楽担当のカナデは、すでに楽団への連絡は済んだよう。大体の曲の構成と当日の流れ、段取りも電話である程度説明した今は、大変そうなチカゼとヒナタに、プレゼントの案を提案している。

 生花担当のキサとツバサは、当日取り揃えられる花の種類を把握していた。生徒全員が触れるものなので、安全面に配慮し棘などは事前に切り落としてもらえるよう花屋に頼んでみるという。

 ケーキ担当のアキラは、一人一人に小さなケーキを用意するようで、カタログやネットを見てケーキを選んでいた。



「(……結局のところ、参加する人数がはっきりしないと動けない人が多いよね)」


 葵が今大急ぎで取り掛かっているのは、クリスマスパーティーに向けてのプリント作成。これを明日の放課後までに各クラスの委員長に渡し、今週末までに参加人数を把握する予定だ。

 週明けにはきちんとした数をみんなに伝えられるだろうが、せっかくならたくさんの人に参加して欲しいので、校舎内の掲示板全てにポスターを貼る。それが終わったら、ペアカード作り。



「(うんっ。こんな感じかな)」


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