俺様御曹司は姉御肌で破天荒な美女を堕とせるか?

ルミエールの妖精

今は6月の初旬、外は半袖でちょうどいい
気温だ。春が終わり夏が始まる前の
どっちつかずの季節だ。

春ほど柔らかくなく夏ほどギラギラして
いない梅雨にもまだ届かないが、着る服の
チョイスにとても迷う時期でもある。

日によっては夏を思わせるような日もあるが
今日は穏やかな晴天だ。

木々も青々と茂り、ホテルのアプローチに
続く花壇ではバラの花が咲き誇り香しく甘い
香りを振りまいている

そんなホテルのアプローチを西本優依
(にしもとゆい)は、笑顔の素敵なドアマン
の待つエントランスに向かってゆったりと
した歩調で歩いている。

ここホテル・ラ・ルミエール東京のエント
ランスのガラスのドアの所にはいつも
ドアマンがいてくれる。

自動ドアではなくドアマンが、お客様の往来を
見てドアを開けてくれるのだ。

正面の右側には回転ドアもついているが大抵
の人はドアマンの笑顔と“お帰りなさいませ”
と言う一言に癒され彼らの開けてくれるドアを
くぐる。

帰りには“行ってらっしゃいませ”と言ってドア
を開けてくれるのだ。
< 1 / 102 >

この作品をシェア

pagetop