詩シリーズ

「藍」

誰も彼も知りやしない、
浮いたとていずれ塵になり、
海の奥底に沈んで、
静寂と孤独に押し潰されそうな……


それは、水面を荒立てる波だ。

頭上、うんと先での事柄だ。

俺が気にすることでもない。

気にしては、成らない。

けれども目線はソレを追った。


『影』


少しばかりの好奇心だったんだ。

冷や汗が垂れる。

口角が上がる。

一点と青を放つ影は、こちらを見据えるように……

影で在るのに、
青は途絶えず、
輝きは揺らぐことなく指して。
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