氷壁エリートの夜の顔
第24話 コンビニおにぎりとエナジーバー
スライドの端に、結城さんのコメントが赤く表示されていた。
『このデータ、今朝のクライアントMTGの意図とズレています。再確認を。』
一瞬、私自身がフリーズする。
何度も見直した。むしろ、自分が主導して組み立てた提案だったはずだ。
それなのに──どうして、こんな初歩的な見落としを。
結城さんからのコメントは、いつものように、感情を排した簡潔な文面だった。冷静で、正確で、彼らしい言葉。
──けれど今日は、それが妙にこたえた。
ちゃんとしなきゃ。ミスは許されない。
そう思えば思うほど、思考は空回りし、焦る気持ちが膨らんでいく。
ファイルを開き直して数字を追う。
けれど、さっきまで理解していた論点すら、霧がかかったようにぼやけて見える。
──だめだ、集中できない。
手元のマグカップを持ち上げたけれど、中身はとっくに空になっていた。
このところ、眠りは浅く、食事もまばらになっている。
仕事が終わってから、週に数回、病院へ足を運び、実家にも顔を出す日々。
気力だけで動かしてきた身体が、そろそろ限界を訴えている。
『このデータ、今朝のクライアントMTGの意図とズレています。再確認を。』
一瞬、私自身がフリーズする。
何度も見直した。むしろ、自分が主導して組み立てた提案だったはずだ。
それなのに──どうして、こんな初歩的な見落としを。
結城さんからのコメントは、いつものように、感情を排した簡潔な文面だった。冷静で、正確で、彼らしい言葉。
──けれど今日は、それが妙にこたえた。
ちゃんとしなきゃ。ミスは許されない。
そう思えば思うほど、思考は空回りし、焦る気持ちが膨らんでいく。
ファイルを開き直して数字を追う。
けれど、さっきまで理解していた論点すら、霧がかかったようにぼやけて見える。
──だめだ、集中できない。
手元のマグカップを持ち上げたけれど、中身はとっくに空になっていた。
このところ、眠りは浅く、食事もまばらになっている。
仕事が終わってから、週に数回、病院へ足を運び、実家にも顔を出す日々。
気力だけで動かしてきた身体が、そろそろ限界を訴えている。