転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
2・やっと見つけた、僕の最愛(マイセル)
エインズ王国の皇太子として生まれたマイセル・エンズウェイは、いつだって探している。
自身の地位や血筋に興味を抱かず、自分だけを愛してくれる稀有な少女を。
『殿下、ご機嫌麗しゅう』
『わたくしを、婚約者にしてください!』
『今日はとってもいい天気ですね』
花嫁候補に始めて引き合わされたのは、今から3年前。
5歳の時だった。
(どいつもこいつも、僕を見ていない……)
令嬢達は両親から、どんな手を使ってでも婚約者の座を射止めろと囁かれて送り出されたのだろう。
好かれようと必死にアピールをして、皇太子妃になろうと試みていたがーーそんな彼女達には、見向きもしなかった。
(僕だけを愛してくれる人は、どこにいるんだろう?)
何百人と顔合わせを行っても、理想の少女はいつまで経っても現れない。
だからこそ、今回も同じだと思っていた。
なのに――8歳を迎えたマイセルは、茶会である少女に出会ってしまう。
(あの子は、どうしてあんなところに……?)
よく観察していなければ、見失ってしまいそうなほどに気配が薄い。
自身の地位や血筋に興味を抱かず、自分だけを愛してくれる稀有な少女を。
『殿下、ご機嫌麗しゅう』
『わたくしを、婚約者にしてください!』
『今日はとってもいい天気ですね』
花嫁候補に始めて引き合わされたのは、今から3年前。
5歳の時だった。
(どいつもこいつも、僕を見ていない……)
令嬢達は両親から、どんな手を使ってでも婚約者の座を射止めろと囁かれて送り出されたのだろう。
好かれようと必死にアピールをして、皇太子妃になろうと試みていたがーーそんな彼女達には、見向きもしなかった。
(僕だけを愛してくれる人は、どこにいるんだろう?)
何百人と顔合わせを行っても、理想の少女はいつまで経っても現れない。
だからこそ、今回も同じだと思っていた。
なのに――8歳を迎えたマイセルは、茶会である少女に出会ってしまう。
(あの子は、どうしてあんなところに……?)
よく観察していなければ、見失ってしまいそうなほどに気配が薄い。