転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
12・お昼休みの攻防戦
「はいよ! スペシャルお子様ランチ!」
「ありがとうございます!」
食堂でトレイの上に載せられた昼食を手にしたユキリは、キラキラと瞳を輝かせて大喜びする。
よだれを垂らしながら、空席がないかとあたりを見渡す。
(すごく混んでる……!)
だが、お昼どきと言うこともあって席は空いておらず――。
「あれ? ユキリだ」
「ここ、空いてるぞ」
満面の笑みを浮かべた殿下から手招きをされ、困っていた所に弟から声をかけられた。
(絶対行きたくないわ……!)
普段はいがみ合う2人が息をピッタリと合わせた連携プレーを披露したのに驚きながら、ユキリはぶんぶんと首を振って拒否する。
「殿下のお誘いを断るなんて……!」
「また、ラクア男爵令嬢ですの!?」
「弟さんは立派に殿下の護衛としてのお役目を果たしていると言うのに……」
「なんの取り柄もないご令嬢と、どうしてあんなにも懇意にしているのかしら? 不思議で堪らないわ」
しかし、拒絶ばかりもしていられなくなった。
その様子を見ていた生徒達から向けられる厳しい視線と心ない言葉に耐えきれなかったからだ。
(仕方ないわね……)
「ありがとうございます!」
食堂でトレイの上に載せられた昼食を手にしたユキリは、キラキラと瞳を輝かせて大喜びする。
よだれを垂らしながら、空席がないかとあたりを見渡す。
(すごく混んでる……!)
だが、お昼どきと言うこともあって席は空いておらず――。
「あれ? ユキリだ」
「ここ、空いてるぞ」
満面の笑みを浮かべた殿下から手招きをされ、困っていた所に弟から声をかけられた。
(絶対行きたくないわ……!)
普段はいがみ合う2人が息をピッタリと合わせた連携プレーを披露したのに驚きながら、ユキリはぶんぶんと首を振って拒否する。
「殿下のお誘いを断るなんて……!」
「また、ラクア男爵令嬢ですの!?」
「弟さんは立派に殿下の護衛としてのお役目を果たしていると言うのに……」
「なんの取り柄もないご令嬢と、どうしてあんなにも懇意にしているのかしら? 不思議で堪らないわ」
しかし、拒絶ばかりもしていられなくなった。
その様子を見ていた生徒達から向けられる厳しい視線と心ない言葉に耐えきれなかったからだ。
(仕方ないわね……)