転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
22・神殿崩壊
推しカップルの背中を見送ったユキリは、なんとも言えない表情でいまだに背中からこちらを抱きしめている彼を見上げる。
(何から、話せばいいんだろう……)
探るような視線は殿下にとって、いつまで細い身体に絡みついているつもりだとこちらが抗議してるように見えたのかもしれない。
腕の力を強められて声にならぬ悲鳴を上げたユキリは、彼が氷点下の笑顔だけではなく背中にブリザードを吹かせる幻覚を見てしまい――。
(このまま黙っていたら、監禁コース間違いなしだよね……! それだけは、絶対に避けないと……!)
慌てた様子で、勢いよく謝罪の言葉を吐き出した。
「ごめんなさい……!」
彼の返事は、いつまで経っても返って来ない。
(何から、話せばいいんだろう……)
探るような視線は殿下にとって、いつまで細い身体に絡みついているつもりだとこちらが抗議してるように見えたのかもしれない。
腕の力を強められて声にならぬ悲鳴を上げたユキリは、彼が氷点下の笑顔だけではなく背中にブリザードを吹かせる幻覚を見てしまい――。
(このまま黙っていたら、監禁コース間違いなしだよね……! それだけは、絶対に避けないと……!)
慌てた様子で、勢いよく謝罪の言葉を吐き出した。
「ごめんなさい……!」
彼の返事は、いつまで経っても返って来ない。