転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
23・復学計画
 それから先は、目まぐるしく時間が流れていく。

 ユイガと協力して神殿を崩壊させたマイセルは、その足で愛する婚約者とお揃いの指輪を購入し、薬指に嵌めた。

「ねぇ、殿下。恋愛学園に、戻らなくていいの?」
「僕は素敵なパートナーを見つけたからね。もういいんだよ」

 ユキリは彼に別れを告げて神殿で暮らすようになった瞬間から、恋愛学園を退学した扱いになっているらしい。
 この状況であれば、自分の復学は難しいと考えるべきだろう。

「ユイガも、同じ気持ち……?」
「俺は最初から、パートナーを見つけてあの学園を卒業する気はなかっ
 た。どちらにせよ、退学は確定しているからな。正直、どうでもいい」
「またそんなことを言って……」

 しかし、マイセルと弟は違う。
 ユキリとは違って、まだ恋愛学園に席があった。
 愛する人がいないのならば無理に登下校する必要はないと、学校をサボっているようだが……。
 2人は現役の生徒なのだ。当然、このままと言うわけにはいかない。
 それに――ユイガはいずれ、ラクア家の当主になる男だ。
 今のうちに、気の合うご令嬢を見つけてもらわなければ困る。
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