転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
25・卒業式
それから卒業までの2年は、あっと言う間に過ぎていった。
ロンドとティナが愛を深め合う様子を間近で観察しながら、自身もマイセルと心を通わせていくその日々はーー毎日が楽しく、幸せ一杯の時間だった。
(一つだけ、心残りがあるとすれば……)
ユイガが、運命の相手に出会えなかったことくらいだろうか。
「ねぇ、ユイガ。本当に、いいの?」
「ああ。卒業式には出ない」
「留年して……」
「俺は殿下と姉さんの護衛だ。2人がいない場所で、呑気に学生生活を続けるなんて……。絶対に嫌だ」
「でも……」
「仕方ないさ。この学園にいる女子生徒を好きになれなかった以上、ユイガの退学は今さら……」
「ま、待ってください……!」
ーーその時、マイセルの呆れた声を遮るか細い声が聞こえてきた。
荒い息を吐き出す少女はユキリよりも小柄で、可憐な容姿をしている。
(水色のロングウェーブヘアに、桃色の瞳……! 図書館で本を読んでいたら、絵になりそうな女の子だ……!)
かわいい女の子が大好きなユキリは瞳をキラキラと光り輝かせながら、その女子生徒に注目した。
「ラクア先輩……! 好きです! わ、わたしと一緒に……! 卒業してください……!」
ロンドとティナが愛を深め合う様子を間近で観察しながら、自身もマイセルと心を通わせていくその日々はーー毎日が楽しく、幸せ一杯の時間だった。
(一つだけ、心残りがあるとすれば……)
ユイガが、運命の相手に出会えなかったことくらいだろうか。
「ねぇ、ユイガ。本当に、いいの?」
「ああ。卒業式には出ない」
「留年して……」
「俺は殿下と姉さんの護衛だ。2人がいない場所で、呑気に学生生活を続けるなんて……。絶対に嫌だ」
「でも……」
「仕方ないさ。この学園にいる女子生徒を好きになれなかった以上、ユイガの退学は今さら……」
「ま、待ってください……!」
ーーその時、マイセルの呆れた声を遮るか細い声が聞こえてきた。
荒い息を吐き出す少女はユキリよりも小柄で、可憐な容姿をしている。
(水色のロングウェーブヘアに、桃色の瞳……! 図書館で本を読んでいたら、絵になりそうな女の子だ……!)
かわいい女の子が大好きなユキリは瞳をキラキラと光り輝かせながら、その女子生徒に注目した。
「ラクア先輩……! 好きです! わ、わたしと一緒に……! 卒業してください……!」