転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
6・私は死ぬ予定だったみたいです?
「これだけは、絶対に譲れん……!」
「それじゃ、ユキリをここに連れて来た意味がないじゃないか」
婚約者でもない令嬢を、王太子の部屋で寝泊まりさせるわけにはいかない。
ユイガは身体を張って姉を守り、客間を使わせてくれと懇願したが――マイセルの反応はどうにも芳しくなかった。
2人は険悪な雰囲気で、罵り合いを続ける。
「姉さんだって、貴様と2人きりになるのが嫌で俺を頼ってくれたんだ!」
「よかったね。ユキリに頼ってもらえて。羨ましいなぁ」
「そう思うなら……!」
「まぁ、君は恋人にはなれないけど」
「貴様……!」
これではいつまで経っても、収拾がつかない。
(さすがに、割って入ったほうがいいよね……?)
ユキリは渋々、口を開こうとしたが――その声は、勢いよく廊下に繋がる扉を開け放った男性によって遮られてしまった。
「あのね……」
「殿下! ラクア男爵の乗った馬車が、目的地へ到着目前に攻撃を受けました!」
「なんだと!?」
真っ先にその声へ反応したのは、マイセルではなくユイガだ。
彼は姿を見せた人物に掴みかかると、グラグラと左右に揺すって怒声を浴びせた。
「それじゃ、ユキリをここに連れて来た意味がないじゃないか」
婚約者でもない令嬢を、王太子の部屋で寝泊まりさせるわけにはいかない。
ユイガは身体を張って姉を守り、客間を使わせてくれと懇願したが――マイセルの反応はどうにも芳しくなかった。
2人は険悪な雰囲気で、罵り合いを続ける。
「姉さんだって、貴様と2人きりになるのが嫌で俺を頼ってくれたんだ!」
「よかったね。ユキリに頼ってもらえて。羨ましいなぁ」
「そう思うなら……!」
「まぁ、君は恋人にはなれないけど」
「貴様……!」
これではいつまで経っても、収拾がつかない。
(さすがに、割って入ったほうがいいよね……?)
ユキリは渋々、口を開こうとしたが――その声は、勢いよく廊下に繋がる扉を開け放った男性によって遮られてしまった。
「あのね……」
「殿下! ラクア男爵の乗った馬車が、目的地へ到着目前に攻撃を受けました!」
「なんだと!?」
真っ先にその声へ反応したのは、マイセルではなくユイガだ。
彼は姿を見せた人物に掴みかかると、グラグラと左右に揺すって怒声を浴びせた。