魔法使いユメと小さなドールフレンズ!

3、宝石フルーツとねこ耳ちゃんの宝物

 宝石の森をずんずんとぬけて、今度は街へ出ました。赤やオレンジ色の屋根があざやかです。

「シャオ、なにか思い出したことはないかな?」

 わたあめの(くも)を見つめながら、シャオは頭をひねります。

「うーん、わからない。でも、さっきのおばあちゃん、どこかで会ったことがある気がするんだ」

 シャオの言葉に、ユメも声をはずませました。

「私もだよ。魔女のおばあさんの声、おばあちゃんとすこし似ていたの」
「どうわの中のおばあさんだから、きっと知っている気持ちになるのね」

 マリンも同じ思いのようです。
 手がかりらしい物は見つかりませんでしたが、いい出会いがあったのでみんなは満足。

 途中で、アイスクリーム屋さんがありました。
 きれいなブルースカイのかんばんに、ユメは思わず足を止めます。

「かわいい〜! さっきのフルーツだよ!」

 森の木になっていた果物がトッピングされています。
 キラキラしたアイスクリームに、マリンもきょうみしんしん。

「……ステキ! こんな宝石みたいなデザートがあるのね」
「マリンは食べたことあるんだと思ってたけど、ちがうんだね」

 ショーケースにならぶアイスクリームを見ながら、マリンがつぶやきます。

「人形の国は、ドールハウスによって出口が変わるの。おかしの家もだけれど、わたしのいた世界とはちょっぴりちがうわ。似ているけれど、まったくちがうの」
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