魔法使いユメと小さなドールフレンズ!

4、魔法使いとドールフレンズ

 かくし場所の中に、細長いアクアリウムケースがありました。
 天井まで続いていて、その中に虹色のフルオパールが浮いています。

「これだわ! ほんとうにあったのね」
「すごくキレイ……」

 直接、手でさわることはできないようです。
 マリンたちが近づこうとしたとき、うしろから声がしました。

「待っていたよ」

 部屋へ入って来たのは、灰色のローブにフードをかぶった人。
 キキがアイスクリーム屋さんで会ったと話した人です。

「あなたはだれなの? どうしてここにいるの?」

 ムーンステッキを持って、ユメがみんなの前へ立ちます。
 いざという時に、自分が助けなければと思ったのです。

「そんなアマチュアな(つえ)と魔法では無理じゃよ」

 その人がフードを取って、顔が明かりに照らされました。

「……どうして?」

 ユメは思わず息をのみます。
 目の前にいるのが、おかしの家でやさしくしてくれたおばあさんだったからです。
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