魔法使いユメと小さなドールフレンズ!

2、オオカミくんとおかしな家

 白い光が消えて、景色が見えてきます。
 ドールハウスの扉は、森へとつながっていました。
 たくさんの木には、赤や青の木の実がなっています。りんごやブルーベリーではありません。あまり見たことのない形です。

(まるで宝石みたい。かわいい)

 さわろうとすると、マリンが奥を指さしました。

「ユメちゃん、あそこにだれかいるわ。話しかけてみましょう」

 近づいてみると、茶色のかみの毛が見えます。ライオンの立てがみのようにふわふわとしているけど、うしろ姿で顔はわかりません。

(なんだか様子がおかしい。お腹が痛いのかな?)

「だいじょうぶですか? 気分でも悪いの?」

 うずくまっていた顔が、ピョコンと上がります。
 ちょっぴり細い目と高いはな。口にはちょこんと二本のキバ。頭にはピョコンと耳まで生えています。

「キャーッ! たいへん、オオカミだわ! 食べられちゃう!」

 マリンの高い声に、ユメもびっくり。二人はあわてて逃げようとします。
 するとそのとき。

「ま、待って!」

 かわいらしい男の子の声がしました。
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