宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける
民衆の王妃
「はぁ、、、」
この日、
フィロメナは何度も何度もため息を繰り返していた。
行くべきか行かざるべきか。
フィロメナが快復したことを
オルランドもすごく喜んでくれて、
快気祝いをしたいと
晩餐に招待してくれたのだった。
おかげさまで身体の痛みはすっかりなくなり、
腕のギプスも外れていた。
最近のオルランドはとても優しい。
無関心だったあの頃と比べると
全くの別人だ。
忙しい合間を縫って自分の代わりに
地方にも顔を出していてくれて
行くたびにお土産を持ち帰ってきて
いろんなことを話してくれる。
国民たちはフィロメナの怪我を心配していて、
お見舞いのカードをいくつももらった。
子どもたちが拙い字で一生懸命に
『早く良くなってね』と書いてくれたと思うと
涙が出るほど嬉しい。
フィロメナの中でオルランドへの思いは
確実に変化していた。
他の男性とお付き合いしたことがないので
比較はできないけれども
穏やかで心優しい彼は
夫としては良い人だと思う。
けれど、彼が夫であるということは
自分は王妃の地位に留まらなければならないのだ。
それがどうしても気が進まない。
彼がただの貴族なら
自分たちの領地の中だけで
気ままに生きていけるだろうが
王家は違う。
この日、
フィロメナは何度も何度もため息を繰り返していた。
行くべきか行かざるべきか。
フィロメナが快復したことを
オルランドもすごく喜んでくれて、
快気祝いをしたいと
晩餐に招待してくれたのだった。
おかげさまで身体の痛みはすっかりなくなり、
腕のギプスも外れていた。
最近のオルランドはとても優しい。
無関心だったあの頃と比べると
全くの別人だ。
忙しい合間を縫って自分の代わりに
地方にも顔を出していてくれて
行くたびにお土産を持ち帰ってきて
いろんなことを話してくれる。
国民たちはフィロメナの怪我を心配していて、
お見舞いのカードをいくつももらった。
子どもたちが拙い字で一生懸命に
『早く良くなってね』と書いてくれたと思うと
涙が出るほど嬉しい。
フィロメナの中でオルランドへの思いは
確実に変化していた。
他の男性とお付き合いしたことがないので
比較はできないけれども
穏やかで心優しい彼は
夫としては良い人だと思う。
けれど、彼が夫であるということは
自分は王妃の地位に留まらなければならないのだ。
それがどうしても気が進まない。
彼がただの貴族なら
自分たちの領地の中だけで
気ままに生きていけるだろうが
王家は違う。