宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

オルランドの気持ち

サレハの見合いは
思っていた以上に好感触だった。
相手の公爵家の令息は
とびっきりの美男というわけではないが
細身でスラッとした清潔感のある好青年だ。
サレハも満更ではないようで
オルランドはホッと胸を撫で下ろした。

じゃあ、後は若い者たちで、、、
ということで
オルランドはヴァリニア国王エドリックに招かれて
応接間でアフタヌーンティーをいただくことになった。

エドリックはドラゴニア帝国を打ち破った
まさに時の人なので
話しは自然とその話題になる。
「みんな、まるで私がすごいことを成し遂げたかのように言ってくれるけど、実際はそんなことはないんだ。フィオルガルデ連邦の面々は勇敢で美しい人たちなんだ。私はちょっと力添えをしただけさ。それに、、、多分に私情が入っていたしね。」
「私情とは・・・?」
「お恥ずかしい話だが、私は王妃に逃げられましてね。彼女を取り戻したくて参戦したんですよ。」
そう言って豪快に笑うエドリックは、
オルランドが今まで抱いていたイメージと違っていた。
大陸の覇権争いのためかと思っていたが、
女性の(しかも元妻の)気を引くためだったとは。

「差し支えなければその後を伺っても?」
「もちろん。私の思惑が功を奏したのか分かりませんが、私は彼女の愛を得ることに成功して、準備が整い次第、帰ってきてもらうことになっているんです。私がサレハ王女との縁談を断ったのはそういう理由です。」
「そういうことでしたか。」
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