かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜
第十章/ハネムーン
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お待たせ、と透さんが両手に持ったカップの一つをことりとわたしの前に置く。表面に泡のたったカフェラテだ。
「ありがと」
どういたしまして、と隣に腰を下ろす。
空港の会員制ラウンジは空間がゆったりとられ、静かな時間が流れていた。
窓際の席にかけたので、離着陸する飛行機を視界にとらえることができる。
「休みらしい休みなんて、久しぶりだな」と彼がつぶやいてコーヒーを口に含む。
「仕事のことは忘れて、しばらく旅を楽しもう」
わたしはサマーニットのカットソーとカーディガンにワイドパンツを合わせている。
透さんはダークネイビーのTシャツにサッカー生地のジャケットという格好だ。飛行機に乗るときには体を締めつけず防寒性も兼ねた服を選ぶようにしている。
透さんは久我ホールディングスでの仕事に区切りをつけることができた。
自分のビジネスを本格的にスタートする前に、遅ればせながらのハネムーンだ。
三週間ほどかけてヨーロッパ各地を巡って、旅のゴールは海を渡って日本だ。
お待たせ、と透さんが両手に持ったカップの一つをことりとわたしの前に置く。表面に泡のたったカフェラテだ。
「ありがと」
どういたしまして、と隣に腰を下ろす。
空港の会員制ラウンジは空間がゆったりとられ、静かな時間が流れていた。
窓際の席にかけたので、離着陸する飛行機を視界にとらえることができる。
「休みらしい休みなんて、久しぶりだな」と彼がつぶやいてコーヒーを口に含む。
「仕事のことは忘れて、しばらく旅を楽しもう」
わたしはサマーニットのカットソーとカーディガンにワイドパンツを合わせている。
透さんはダークネイビーのTシャツにサッカー生地のジャケットという格好だ。飛行機に乗るときには体を締めつけず防寒性も兼ねた服を選ぶようにしている。
透さんは久我ホールディングスでの仕事に区切りをつけることができた。
自分のビジネスを本格的にスタートする前に、遅ればせながらのハネムーンだ。
三週間ほどかけてヨーロッパ各地を巡って、旅のゴールは海を渡って日本だ。