一年だけの契約妻で、ほぼ放置されていたのに
好きだけど
「なんだそれ。どこぞのロマンス小説か?羨ましすぎる!」
「明里ちゃん、声大きい」
平日の正午。休みだった私は今、明里ちゃんとランチをしている。急遽私からの申し出にも仕事の昼休みを潰して快く応じてくれた親友には頭が下がる。普段なら電話で済ます相談も今回のことは私の中で大きすぎて丸一日考えても消化できなかった。
「ごめんごめん、つい。でも、よかったじゃん。王子もつぐみちゃんのことが好きってことでしょ?」
「そういうんじゃないと思う。キスした手前責任を感じてのことだと」
「いやーないない!それくらいで責任取るとかさ。どうでもいい女だったら『昨日はすまない。これから気を付ける』くらいの人だって。むしろ気持ちない人に酔っていてもキスしないよ、王子は。潔癖っぽいもん」
一日一緒にいただけで明里ちゃんは、鷹士さんのことを査定していたらしい。結果、不愛想ではあるものの、イベントでもおつりの準備や在庫管理、昼食の準備と休憩できる時間の推測、撤収時の効率よい梱包と発送まで無駄がなかった。女性客にも複数声をかけられていたけれど、角が立たないようにあしらっていた点も好印象。
評価は仕事ができる気遣い屋。横暴や高慢などとは程遠く、高評価だったから、いきなりのキスも明里ちゃん的には「別にいいんじゃない」ということらしい。
「返事は保留?」
「うん。鷹士さんも『考えてみてくれ』ですんなり引いたし」
「明里ちゃん、声大きい」
平日の正午。休みだった私は今、明里ちゃんとランチをしている。急遽私からの申し出にも仕事の昼休みを潰して快く応じてくれた親友には頭が下がる。普段なら電話で済ます相談も今回のことは私の中で大きすぎて丸一日考えても消化できなかった。
「ごめんごめん、つい。でも、よかったじゃん。王子もつぐみちゃんのことが好きってことでしょ?」
「そういうんじゃないと思う。キスした手前責任を感じてのことだと」
「いやーないない!それくらいで責任取るとかさ。どうでもいい女だったら『昨日はすまない。これから気を付ける』くらいの人だって。むしろ気持ちない人に酔っていてもキスしないよ、王子は。潔癖っぽいもん」
一日一緒にいただけで明里ちゃんは、鷹士さんのことを査定していたらしい。結果、不愛想ではあるものの、イベントでもおつりの準備や在庫管理、昼食の準備と休憩できる時間の推測、撤収時の効率よい梱包と発送まで無駄がなかった。女性客にも複数声をかけられていたけれど、角が立たないようにあしらっていた点も好印象。
評価は仕事ができる気遣い屋。横暴や高慢などとは程遠く、高評価だったから、いきなりのキスも明里ちゃん的には「別にいいんじゃない」ということらしい。
「返事は保留?」
「うん。鷹士さんも『考えてみてくれ』ですんなり引いたし」