うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る
11
「今日は私が車出すからね」
そう言ったはずなのに――
「いや、俺が出す」
「えっ、でも私、道もわかるし、ナビもあるし」
「俺の車で行く。以上」
「……は、はい……」
結局、いつもの大型ベンツで迎えに来られた。
私のランクルはガレージでお留守番。
――そして、着いたのはノースフェイスの大型店。
この街では一番大きい、アウトドア好きの聖地みたいな場所。
「じゃ、よろしく」
さらっと言って、海龍くんは私に丸投げしてきた。
でも、あれこれ選んでるうちに――
「このテントがいいかな、設営簡単だし」
「うん、それでいい。これください」
「ちょ、ちょっと待って!高いよこれ!」
「問題ない。次」
(……いや、金はいいから、って!)
まるでゲームのアイテム選ぶみたいな感覚で、
私が勧めたものをポンポンかごに入れていく海龍くん。
それに加えて、アウトドア用の服まで何着も買ってる。
ノースフェイスの上下セット、シューズ、帽子、マウンテンジャケット……。
(社長って、準備に抜かりがないというか、ほんと全部“全力”なんだよね…)
あっという間に山登りもキャンプもできる完璧装備が揃った。
帰りの車の中。
トランクはいっぱいで、私の頭の中もいっぱい。
(これで、お泊まりキャンプできちゃうじゃん…!)
心の中ではしゃぎながら、
窓の外を見ながらそっと頬を緩めた。
楽しみすぎて、顔がにやけるのを止められなかった。
そう言ったはずなのに――
「いや、俺が出す」
「えっ、でも私、道もわかるし、ナビもあるし」
「俺の車で行く。以上」
「……は、はい……」
結局、いつもの大型ベンツで迎えに来られた。
私のランクルはガレージでお留守番。
――そして、着いたのはノースフェイスの大型店。
この街では一番大きい、アウトドア好きの聖地みたいな場所。
「じゃ、よろしく」
さらっと言って、海龍くんは私に丸投げしてきた。
でも、あれこれ選んでるうちに――
「このテントがいいかな、設営簡単だし」
「うん、それでいい。これください」
「ちょ、ちょっと待って!高いよこれ!」
「問題ない。次」
(……いや、金はいいから、って!)
まるでゲームのアイテム選ぶみたいな感覚で、
私が勧めたものをポンポンかごに入れていく海龍くん。
それに加えて、アウトドア用の服まで何着も買ってる。
ノースフェイスの上下セット、シューズ、帽子、マウンテンジャケット……。
(社長って、準備に抜かりがないというか、ほんと全部“全力”なんだよね…)
あっという間に山登りもキャンプもできる完璧装備が揃った。
帰りの車の中。
トランクはいっぱいで、私の頭の中もいっぱい。
(これで、お泊まりキャンプできちゃうじゃん…!)
心の中ではしゃぎながら、
窓の外を見ながらそっと頬を緩めた。
楽しみすぎて、顔がにやけるのを止められなかった。