うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る
16★
「じゃあ、部屋を取っておくから、待ってて」
そう言って、海龍くんはまた忙しそうに会場へ戻っていった。
私はスタッフの案内で、ホテルの最上階――スイートルームに通された。
広くて静かな部屋。
けれど、慣れないドレスと高いヒールに身体が少し重くて、
ふかふかのソファに腰を下ろした瞬間、ふぅっと息を吐いた。
気づけば、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「……凪」
誰かに名前を呼ばれて、まぶたの奥がほんのり明るくなる。
ふわっと、やさしい腕に抱き上げられていた。
「……海龍くん?」
ぼんやりと名前を呼ぶと、彼は少しだけ笑った気がした。
「寝ちゃってた。…無理させたな、ごめん」
その声が、やけに優しくて、眠気が完全には覚めないまま、
私はその胸にすこし甘えるように身体を預けた。
気づいたら、ベッドの上。
柔らかなシーツに身体をそっと下ろされる。
「おやすみ、凪」
ふわりと髪にキスされた気がした。
心臓が、どくん、と跳ねた。
だけど不思議と安心して、私はそのまま、
海龍くんの香りに包まれながら――もう一度、眠りに落ちていった。
そう言って、海龍くんはまた忙しそうに会場へ戻っていった。
私はスタッフの案内で、ホテルの最上階――スイートルームに通された。
広くて静かな部屋。
けれど、慣れないドレスと高いヒールに身体が少し重くて、
ふかふかのソファに腰を下ろした瞬間、ふぅっと息を吐いた。
気づけば、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
「……凪」
誰かに名前を呼ばれて、まぶたの奥がほんのり明るくなる。
ふわっと、やさしい腕に抱き上げられていた。
「……海龍くん?」
ぼんやりと名前を呼ぶと、彼は少しだけ笑った気がした。
「寝ちゃってた。…無理させたな、ごめん」
その声が、やけに優しくて、眠気が完全には覚めないまま、
私はその胸にすこし甘えるように身体を預けた。
気づいたら、ベッドの上。
柔らかなシーツに身体をそっと下ろされる。
「おやすみ、凪」
ふわりと髪にキスされた気がした。
心臓が、どくん、と跳ねた。
だけど不思議と安心して、私はそのまま、
海龍くんの香りに包まれながら――もう一度、眠りに落ちていった。