うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る
17★
ようやく、海龍くんの休みが取れた。
会社の統合が一段落して、久しぶりのふたりの時間。
「泊まりは、俺に任せて」
そう言って、連れてきてくれたのは――
星空が見える、グランピング施設。
自然に囲まれた場所にぽつんと建つ、白いドーム型の客室。
天井は透明なガラス張りで、そこに広がるのは、まるで吸い込まれそうな満点の星空だった。
「……すごい……」
見上げた瞬間、思わず息を呑んだ。
夜の空に、こんなにたくさん星があったなんて、忘れてた。
外では、私が作った夕飯をふたりで食べて、焚き火を囲んで他愛のない話をした。
けれど、やっぱりこの場所が、特別だった。
「凪、あったかくして」
そう言って、海龍くんが私の肩に毛布をかけてくれる。
少し照れたような笑顔で。
「ありがとう」
ベッドに並んで横になると、ガラス越しに星たちが瞬いていた。
それを見ていたら、自然と手をつないでいた。
「……このまま、時間止まればいいのに」
ぽつんと呟くと、彼は私の手を、ぎゅっと握り返した。
「……今、俺もまったく同じこと考えてた」
ふたりだけの空間に、静かに流れる時間。
ただ並んで、手をつないで、星を見上げているだけなのに、こんなにも心が満たされていく。
「ねえ、海龍くん」
「ん?」
「わたし、今日のこと、一生忘れないよ」
「じゃあ、毎年連れてくる。忘れられない日を、もっと増やしてく」
不器用だけど、まっすぐな言葉。
目が潤んでしまいそうで、私は彼の胸に顔をうずめた。
「好きだよ、凪」
「……私も」
星空の下、何も飾らない愛の言葉が交わされた。
その夜は、眠るのが惜しいくらいに、幸せだった。
会社の統合が一段落して、久しぶりのふたりの時間。
「泊まりは、俺に任せて」
そう言って、連れてきてくれたのは――
星空が見える、グランピング施設。
自然に囲まれた場所にぽつんと建つ、白いドーム型の客室。
天井は透明なガラス張りで、そこに広がるのは、まるで吸い込まれそうな満点の星空だった。
「……すごい……」
見上げた瞬間、思わず息を呑んだ。
夜の空に、こんなにたくさん星があったなんて、忘れてた。
外では、私が作った夕飯をふたりで食べて、焚き火を囲んで他愛のない話をした。
けれど、やっぱりこの場所が、特別だった。
「凪、あったかくして」
そう言って、海龍くんが私の肩に毛布をかけてくれる。
少し照れたような笑顔で。
「ありがとう」
ベッドに並んで横になると、ガラス越しに星たちが瞬いていた。
それを見ていたら、自然と手をつないでいた。
「……このまま、時間止まればいいのに」
ぽつんと呟くと、彼は私の手を、ぎゅっと握り返した。
「……今、俺もまったく同じこと考えてた」
ふたりだけの空間に、静かに流れる時間。
ただ並んで、手をつないで、星を見上げているだけなのに、こんなにも心が満たされていく。
「ねえ、海龍くん」
「ん?」
「わたし、今日のこと、一生忘れないよ」
「じゃあ、毎年連れてくる。忘れられない日を、もっと増やしてく」
不器用だけど、まっすぐな言葉。
目が潤んでしまいそうで、私は彼の胸に顔をうずめた。
「好きだよ、凪」
「……私も」
星空の下、何も飾らない愛の言葉が交わされた。
その夜は、眠るのが惜しいくらいに、幸せだった。