うちの鬼畜社長がお見合い相手で甘くて困る

【おまけ】ガヤ社員たちの考察

うちの鬼畜社長が平泉さんにだけ甘い。

「あのさ……最近、平泉さんと社長、仲良くない?」

「やっぱ思う?この前さ、社長が平泉さんの資料、なぜか本人より先に見ててびびった」

「しかも、『お前らはこんなレベルで満足か』って部長に詰めてたのに、平泉さんには『これは悪くない』って!なにその差!!」

「てか、社長が“悪くない”って言うなんて、ほぼ満点じゃない?」

「うちの鬼畜社長が……?」

「いや、待って。こないだの全体会議でさ、平泉さんが言葉に詰まった時、社長、めっちゃ自然にフォロー入れてなかった?」

「“そこは俺が言おう”って、あれドラマかよ!」

「ちょっとちょっと!最近、社長が私たちに全然微笑まないのに、平泉さんが横にいるときだけ笑ってるって話、聞いた?」

「え、それ恋じゃん。」

「え?でもさ、社長って結婚とか興味なさそうじゃなかった?」

「その“興味なさそうな人”が、“気づいたらガチで落ちてる”ってのがいいんじゃん~~~!」

「つまり、これは……社内シンデレララブってやつか……!」

「いやでも平泉さん、そんな軽くないと思う。むしろ社長が押して押して落ちた感じしない?」

「鬼畜社長が?!」

「……やばい、妄想が止まらない……」

「とりあえず言えるのは、平泉さん、前よりめっちゃきれいになったよね?」

「……あ、それはわかる。なんか、柔らかくなったっていうか」

「社長、やっぱそういうの見抜くんだよ……!」

「まさかの社内恋愛か~。でもなんか、納得しちゃうんだよね……」

「今度、ランチ誘って根掘り葉掘り聞いてみようか」

「やめなよ、ばれるって!」

「てか社長に睨まれるって!」

「いや、でも……平泉さん、どっちが先に落ちたんだろうね?」

「うわ、それめっちゃ気になる!」

「絶対、社長でしょ~。落ちたときの破壊力、やばそうじゃん」

「わかる。落ちたら一途そう。めっちゃ甘くなりそう。ギャップえぐそう」

「……はあ。社長、平泉さんにはずるい」

「でもちょっと見てたい、あの二人の今後」

「え、むしろプロポーズとか目撃したいよね」

「わかる!!」


(背後で通りがかった凪が、会話を一部聞いてしまい、耳まで真っ赤にして逃げていた)
< 60 / 61 >

この作品をシェア

pagetop