私の隣にいるのが俺じゃない理由を言え、と彼は言う
2
私が働いている会社は、ちょっと大きめの総合商社で、同期は全部で十五人いる。
みんなそれぞれ個性的で、仲も悪くない。毎週のように同期飲みがあって、グループチャットもにぎやかだ。
その中で、特別に仲がいいのが――野田遥人。
理由は簡単。地元が同じ県で、しかもお隣の市だったから。
初めて会ったのは、入社式の集合場所。
まだ右も左も分からなかった私が「こんにちは」って声をかけたとき、彼との会話から。
「もしかして、出身〇〇県?」
それからはあっという間だった。
地元トークで笑い合って、同期研修のペアでもなんだかんだ組むことが多くて。
「やっぱ方言って落ち着くよなー」と笑う野田に、私も「分かる」って頷いた。
同期の中でも一番気軽に話せる相手。
私の中では、ただそれだけだったのに。
でも――どうやらそれは、私だけの認識だったらしい。
みんなそれぞれ個性的で、仲も悪くない。毎週のように同期飲みがあって、グループチャットもにぎやかだ。
その中で、特別に仲がいいのが――野田遥人。
理由は簡単。地元が同じ県で、しかもお隣の市だったから。
初めて会ったのは、入社式の集合場所。
まだ右も左も分からなかった私が「こんにちは」って声をかけたとき、彼との会話から。
「もしかして、出身〇〇県?」
それからはあっという間だった。
地元トークで笑い合って、同期研修のペアでもなんだかんだ組むことが多くて。
「やっぱ方言って落ち着くよなー」と笑う野田に、私も「分かる」って頷いた。
同期の中でも一番気軽に話せる相手。
私の中では、ただそれだけだったのに。
でも――どうやらそれは、私だけの認識だったらしい。