カンペキ王子は、少々独占欲強めです。

26★

夜の静寂の中、二人はベッドで寄り添いながら、見つめ合い、時折キスを交わしていた。
それは甘く、優しく、どこかくすぐったくて。
子どもでも、大人でもない、不思議な時間が流れていた。

花乃の心は不安ではなかった。
むしろ、あたたかく満たされていて――もっと陸に触れていたいと、自然に思っていた。

陸の手が、ゆっくりと、ためらいながら花乃の浴衣の端に触れる。
その動きはどこか恥じらいを含んでいて、でも確かに意思を持っていた。

柔らかな音を立てながら、浴衣の前が静かにほどかれていく。
ひとすじの月明かりが、ラベンダー色の下着と、白く繊細な肌を淡く照らした。

長くしなやかな陸の指が、そっと太ももの付け根に触れる。

花乃は小さく息をのんだ。
けれど、怖くはなかった。
ただ、心がどくどくと脈打つ音が、自分の中で鳴り響いているのがわかった。

陸の視線もまた、真剣だった。
軽い気持ちじゃないことは、言葉にしなくても伝わる。
その熱を、触れ合う肌から感じていた。
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